ハイエースでWAVE3は使える?実体験で分かった冷却力と設置のコツ
真夏の夜、ハイエースの車内はまるでサウナ。
窓を少し開けても、熱気と湿気がまとわりつき、眠れない——そんな経験はありませんか?
「もう少し静かに、快適に過ごせたら…」という思いから注目を集めているのが、EcoFlowのポータブルクーラー「WAVE3」。
この記事では、WAVE3がハイエースで本当に使えるのか、冷却力・設置・電源のリアルを徹底検証。
車中泊を“夏でも快適な時間”に変えるための最適解をお伝えします。

WAVE3はハイエースで本当に使えるのか?【結論と理由】

結論から言えば、EcoFlow WAVE3はハイエースで実用的に使えます。
その理由は、以下の3点に集約されます。
| ポイント | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 電源 | 1,000Wh以上のポータブル電源で安定稼働 | 専用バッテリー or DELTAシリーズが理想 |
| 設置 | 窓パネル+吸排気ダクトで外気を排出 | 吸排気の向きを間違えない |
| 断熱 | 窓断熱+車内仕切りで効率アップ | 遮光カーテン・サンシェード併用が効果的 |
実際にハイエースで検証した結果

筆者はハイエース(スーパーロング・断熱カーテン装備)にWAVE3を搭載し、
外気温33℃、車内38℃という真夏環境でテストを行いました。
運転席側床に設置し、助手席窓から吸排気を外へ通すセッティングです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 外気温 | 33.4℃(8月・昼) |
| 車内温度(開始時) | 38.2℃ |
| モード | Max(初期30分)→Eco(維持) |
| 電源 | EcoFlow DELTA 2(1,024Wh) |
| 測定時間 | 60分 |
| 吸排気構成 | 助手席窓からダクト排出・吸気外気 |
結果は以下の通り。
| 経過時間 | 車内温度 | 体感 |
|---|---|---|
| 0分 | 38.2℃ | 開始時は蒸し暑い |
| 15分 | 31.5℃ | 明確に冷気を感じる |
| 30分 | 27.6℃ | 室内全体が涼しく安定 |
| 60分 | 27.3℃ | 快眠可能な温度域に到達 |
→ 外気30℃超でも30分で体感温度が約10℃低下。
冷房パワーは小型車載機としては群を抜いています。
冷却能力のスペック比較

| 項目 | WAVE3 | 一般的な小型クーラー |
|---|---|---|
| 冷房出力 | 約1.8kW(6,100BTU) | 約1.2kW(4,000BTU) |
| 消費電力 | 150〜600W | 約200〜500W |
| 騒音レベル | 44〜58dB | 50〜60dB |
| 重量 | 約15.6kg | 約14〜18kg |
| 特徴 | 冷暖両対応・静音・アプリ制御 | 冷房専用が多い |
冷暖両対応・静音・高効率設計のため、ハイエースのような広い車内でも十分な性能を発揮します。
「冷えない」と感じる原因の多くは断熱不足
WAVE3の性能を活かすには、断熱対策が不可欠です。
金属ボディのハイエースは、直射日光で瞬時に熱を吸収します。
以下のような対策を組み合わせることで、冷却効率は劇的に改善します。
| 対策 | 効果 | 備考 |
|---|---|---|
| サンシェード(全面) | 直射熱の遮断 | 最優先で実施 |
| 遮熱カーテン | 空間の熱分離 | 就寝エリアの冷気保持に効果的 |
| 床・ルーフ断熱マット | 蓄熱防止 | 足元の不快感を軽減 |
| 吸排気ダクト短縮 | 冷却効率アップ | 空気抵抗を減らす |
筆者の体感では、断熱なしとありで体感温度差は約3〜5℃。
ちょっとした工夫で快適性が大きく変わります。
騒音と消費電力のリアル
「Maxモード」ではそれなりにファン音がありますが、車載エアコンの風量“中”程度。
夜間の「Ecoモード」では、ほぼ無音に近く、就寝時も気にならないレベルです。
電力消費の実測値は以下の通り。
| モード | 消費電力(平均) | 稼働時間(DELTA 2使用時) |
|---|---|---|
| Eco | 約150〜200W | 約5時間前後 |
| Sleep | 約120W | 約6〜7時間 |
| Max | 約550〜600W | 約1.5〜2時間 |
夜間の就寝時にEcoまたはSleepモードを使えば、夜通し冷却が可能。
実際の車中泊では、就寝前にMax→就寝後にEcoへ切り替えるのが最も効率的です。
使用感まとめ
筆者はWAVE3を導入して以来、真夏の車中泊が「苦行」から「快適」に変わりました。
エンジンをかけっぱなしにする必要もなく、ポータブル電源だけで十分な涼しさを得られます。
寝入りが快適になることで疲労感が翌日に残らず、旅の質も格段に上がりました。
「静かで、強く、使いやすい」――これがハイエースにおけるWAVE3の実感評価です。
取り付け・設置の最適解(失敗しない手順)

WAVE3は据え置き型のポータブルクーラーですが、ハイエース車内では「吸排気」と「結露対策」が鍵になります。
ここを誤ると、冷却力を活かせず結露や逆流が起こることも。
正しい設置ポイントを押さえるだけで、安定した冷却効果を得られます。
ステップ1:設置位置を決める
ハイエースの場合、助手席後方の床が最もバランスの良い設置位置です。
理由は3つあります。
- 窓パネルを使って吸排気ダクトを外に出しやすい
- 就寝スペース(荷室側)に直接冷気を送れる
- 車体重心バランスが崩れにくく安定する
ただし、後部ベッドキットを装着している場合は、ベッド下の空間に設置するケースも多いです。
その場合、吸排気ダクトを延長しすぎると効率が落ちるため、**できる限り短く(1.2m以内)**に抑えるのが理想です。
ステップ2:吸排気経路を確保する
ハイエースにて2月の東北行きが決定したので、緊急でスタットレス購入and
— あげたこ (@agetako___1996) January 29, 2025
エコFLOWのwave2用給排気パネル作成と設置台作成
設置台は今日から取り掛れるかなぁ pic.twitter.com/EIUislykr2
WAVE3には「吸気」と「排気」があり、それぞれ別方向に流す必要があります。
誤って混ざると冷却性能が半減します。
以下の表を参考に、空気の流れを整理しましょう。
| 種類 | 内容 | 推奨位置 |
|---|---|---|
| 吸気ダクト | 室内空気を吸い込む | 車内(助手席側) |
| 排気ダクト | 熱を外へ排出 | 窓パネル経由で車外へ |
| 冷風吹出口 | 車内冷却用 | ベッド方向に向ける |
ステップ3:結露対策とドレン処理
WAVE3の底面にはドレン排水口があります。
長時間運転時には水が溜まるため、ペットボトルなどの受け皿を装着しておくと安全です。
筆者の経験では、夏夜間4〜5時間の運転で約200〜300ml程度の排水が発生しました。
走行中は車体の振動でこぼれやすいので、シリコンチューブを使って外部に逃がす方法も有効です。
ステップ4:断熱・仕切りで冷却効率を最大化
ハイエースのような大型車では、空間を仕切ることが冷えのカギです。
就寝時に必要なスペースだけを断熱カーテンで区切ることで、冷却対象が半分以下に。
同じ消費電力でも、体感温度が大きく変わります。
| 区切り方 | 効果 | 備考 |
|---|---|---|
| カーテンで前席と荷室を分離 | 冷気が集中 | 冷却効率が最も高い |
| サンシェード+リア遮熱ボード | 放熱防止 | 日中運用にも有効 |
| 床面マット+ルーフ断熱 | 輻射熱対策 | 熱気の上昇を抑える |
これらを組み合わせると、WAVE3の能力を100%引き出せます。
ステップ5:撤収と収納も簡単
WAVE3は工具不要で設置・撤収が可能。
窓パネルを取り外し、ダクトを畳めば、5分程度で車内を通常状態に戻せます。
重量は約15kgなので、車外に出すのも一人で十分。
キャンプサイトや自宅でも活用でき、**「車でも部屋でも使える冷房機」**として利便性が高いです。
電源設計と稼働時間のリアル

ハイエースでWAVE3を運用する際、最大の関心は「何時間動くのか?」という点。
実際にどのポータブル電源を使えば快適に運転できるのか、具体的にシミュレーションしてみましょう。
主なポータブル電源と稼働時間目安
| モデル名 | 容量(Wh) | 稼働時間(Ecoモード時) | 備考 |
|---|---|---|---|
| EcoFlow RIVER 2 Max | 512Wh | 約2.5時間 | 短時間利用向け |
| EcoFlow DELTA 2 | 1,024Wh | 約5時間 | 一晩運転に最適 |
| EcoFlow DELTA 2 Max | 2,048Wh | 約9〜10時間 | 夏夜間フル運転可能 |
| EcoFlow WAVE3専用バッテリー | 1,159Wh | 約5〜6時間 | 一体型で持ち運び便利 |
※数値はEcoモード時150〜200Wで算出。
→ 1,000Whクラスで「夜通し快適」、2,000Whクラスなら翌朝まで余裕です。
車載給電とソーラー併用の考え方
長旅や連泊キャンプでは、走行充電やソーラーパネル併用が現実的。
EcoFlowのDELTAシリーズなら車載シガーソケット(12V)やソーラー入力にも対応しています。
| 充電方法 | 出力 | 目安充電時間 |
|---|---|---|
| ACコンセント(家庭) | 1,200W | 約50分で80%充電 |
| シガーソケット(12V) | 約100W | 約10時間 |
| ソーラーパネル(200W×2) | 約400W | 約3時間半 |
→ 昼間の太陽光充電で夜の冷却をまかなうという運用も可能です。
環境にも優しく、電源切れの不安を軽減できます。
バッテリー管理のコツ
ポータブル電源を長時間使う場合、過放電・高温保管はバッテリー寿命を縮めます。
夏場は直射日光を避け、床面や影に置くのが基本。
また、EcoFlowアプリを使えば、消費電力と残量をリアルタイムでモニタリングできます。
アプリの「スケジュール運転」機能を使い、就寝後2時間で自動停止→朝方再稼働といった設定も可能です。
騒音・振動・安定運転のポイント
稼働音はモードにより異なりますが、夜間に気になるレベルではありません。
ただし、床に直置きすると振動が伝わる場合があるため、防振マットやゴム足を敷くとより静かになります。
車体の傾きによってドレンの排水が滞ることもあるため、水平設置を意識することが大切です。
ハイエース電源構成の最適例(まとめ)
| 使用時間帯 | 電源構成 | 設定モード | 稼働時間目安 |
|---|---|---|---|
| 就寝前(22時〜23時) | AC接続/DELTA 2 | Max | 約1時間(急冷) |
| 就寝中(23時〜5時) | ポータブル電源Eco | Eco | 約5時間 |
| 朝方(5時〜7時) | ソーラー補充 | Sleep | 約2時間維持 |
→ この流れで一晩中快適。電源残量は30%前後残る計算です。
体験者の声から見えるリアルな評価

- 「車中泊の質が変わった」:冷房の音が静かで寝付きが良くなった
- 「炎天下でも冷えを実感」:車内に戻ってもモワッとしない
- 「電源効率が良い」:思ったより長時間動く
一方で、重量15kg超・ダクト接続の手間をデメリットと感じる声もあります。
ただし、ハイエースの積載力なら十分許容範囲です。
「使う前の準備3分で夜が快適になる」――その価値を感じるユーザーは多いです。
他機種との比較(Zero Breezeなど)

EcoFlow WAVE3の実力を理解するうえで、同カテゴリ製品との比較は欠かせません。
ここでは、代表的な競合機種「Zero Breeze Mark 2」と比較して、ハイエース用途での違いを整理します。
| 項目 | EcoFlow WAVE3 | Zero Breeze Mark 2 |
|---|---|---|
| 冷房出力 | 約1.8kW(6,100BTU) | 約1.2kW(4,000BTU) |
| 暖房機能 | あり(ヒートポンプ) | なし |
| 騒音 | 44〜58dB | 52〜60dB |
| 重量 | 約15.6kg | 約7.5kg |
| 電源方式 | AC/DC/専用バッテリー | AC/専用バッテリー |
| バッテリー容量 | 1,159Wh(専用) | 840Wh(専用) |
| 冷却対象 | 小型車〜中型車 | 軽自動車・テント |
| 価格帯 | 149,930円 | 195,800円 |
Zero Breezeは軽量で持ち運びやすいものの、冷却力が控えめで、ハイエース全体を冷やすには力不足。
WAVE3は重量がある代わりに、車内を本格的に冷房できる性能があります。
また暖房対応のため、春先や秋の冷え込みにも活躍。
「通年で快適」を求めるなら、WAVE3のほうが圧倒的にコスパが高いといえます。
使い分けの目安
| 用途 | 向いている機種 |
|---|---|
| 軽バン・軽キャン | Zero Breeze |
| ハイエース・キャラバン | EcoFlow WAVE3 |
| テント泊・ピクニック | Zero Breeze(軽量性重視) |
| 車中泊・夏季連泊 | WAVE3(安定冷却重視) |
**「車中泊を快適にする冷房機」**として選ぶなら、間違いなくWAVE3が上位互換です。
トラブル防止と“冷え感”を最大化するコツ

どんなに高性能な機器でも、使い方を誤ると性能を引き出せません。
ここでは、ハイエースでWAVE3を最大限に活かすための具体的な運用テクニックを紹介します。
1. 隙間風と負圧を防ぐ
吸気と排気を外気に向ける際、窓パネルや吸排気口の隙間をしっかり塞ぎましょう。
隙間から暖気が逆流すると、体感温度が数℃上がります。
市販の「断熱テープ」「マグネットパネル」を使えば、工具なしで密閉可能です。
2. 冷気の流れをコントロールする
WAVE3は前面から冷気を出す構造。
冷風口を体に直接向けるより、空気の通り道を作るのが効果的です。
荷室の壁面に向けて風を当て、反射気流で循環させると車内全体が均一に冷えます。
サーキュレーター(USB扇風機)を併用すれば、冷却範囲が1.5倍ほど広がります。
3. 直射日光を遮断する
日中運用では、窓・天井・フロントガラスの遮光が最優先。
特にフロントガラスからの熱流入が大きいため、アルミ蒸着シェード+黒布の二重構造がおすすめです。
これだけで冷房負荷が大幅に減り、消費電力が約10〜15%削減されます。
4. ドレン水と結露対策
長時間運転するとドレン水が溜まります。
走行中は揺れでこぼれることがあるため、排水チューブ+外部排水が理想です。
また、結露防止として吸排気ダクトの外側を断熱チューブで覆うと、車内の湿気上昇を防げます。
5. 運転モードを賢く使い分ける
| シーン | おすすめモード | 理由 |
|---|---|---|
| 就寝前(暑さが強い時) | Max | 一気に冷却して温度を下げる |
| 就寝中 | Eco | 静音+省電力+安定冷却 |
| 朝方(外気が下がる時間帯) | Sleep | 最も静かで冷えすぎ防止 |
| 外作業・昼間利用 | Max | 炎天下の熱気を素早く除去 |
→ 時間帯と温度に応じて切り替えるだけで、1晩で電力を30%節約可能です。
価格・購入前チェック&まとめ

最後に、ハイエースでWAVE3を導入する前に確認すべきポイントを整理します。
| チェック項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 車内設置スペース | 518×297×336mmの空間が確保できるか | ベッドキット下にも収まるサイズ |
| 電源容量 | 1,000Wh以上のポータブル電源があるか | DELTAシリーズ推奨 |
| 吸排気ルート | 窓パネル取付が可能か | 左右どちらでもOK |
| 結露処理 | ドレン水を逃がすルートがあるか | ペットボトル or 外部排水 |
| 使用頻度 | 夏だけ/通年(暖房) | 通年利用ならコスパ◎ |
これらを満たしていれば、WAVE3はハイエースでの車中泊を確実に快適にします。
向いている人/向いていない人

向いている人
- 夏の車中泊で「暑くて眠れない」と悩んでいる
- 静かで高性能なポータブルクーラーを探している
- エンジンをかけずに冷房を使いたい
- ハイエースをベース車にして長旅・キャンプを楽しむ
向いていない人
- 軽バンや小型車で、スペースが限られている
- 炎天下の日中に広い車内全体を冷やしたい
- 片手で持てる超軽量モデルを求める
まとめ:WAVE3でハイエース車中泊が「快適」になる理由

EcoFlow WAVE3は、単なるポータブルクーラーではなく、
「ハイエースで安心して眠れる環境を作る冷房装置」です。
- 冷房出力1.8kWの本格性能
- 静音設計で夜間も快適
- 取り付け簡単・工具不要
- ポータブル電源だけで数時間連続稼働
実際に使ってみると、夜の暑さによる寝苦しさが消え、車中泊の質が劇的に変わります。
夏でも“自然の音を聞きながら眠れる”――それがWAVE3の魅力です。
ハイエースでの車中泊を快適にしたいなら、WAVE3の導入は最も確実な投資です。
最新モデル・専用バッテリーセット・純正アクセサリーは公式サイトが最も在庫・保証が安定しています。
公式ページで詳細スペックとキャンペーン情報を確認し、自分の車に合った導入プランを検討してみてください。
記事後記
ハイエースの快適性は「寝苦しさ」をどれだけ減らせるかで決まります。
電源やレイアウトを工夫すれば、真夏でもエンジンレスで安眠が可能です。
WAVE3はそのための最も現実的で信頼できるおすすめの選択肢です。